蒔絵入門「漆の特質」

漆は塗料としての用途と接着剤としての用途がありますが、この両方の特質をうまく使って漆器が出来上がっています。

生漆は主に接着剤の働きをし、精製漆は塗料としての働きをします。
漆の大きな特質として陽に干したり風にあてても乾かないということがあります。漆をぬったもの乾かすには湿らした木箱の中に入れて密閉します。
これにより箱内部の蒸発する水分が漆に作用して乾きます。正確には湿気で漆が硬化するという表現が正しいのかもしれません。
漆職人は大きな木の戸棚の内部を湿らせて使いますが小さな木箱でも漆の乾燥に使うものはすべて『風呂』と呼ばれています。
漆は完全に乾いてしまうと酸やアルカリの影響を受けず、熱や電気の絶縁性が強くなります。
それを利用したのが薄くても熱い汁を入れて直に手で持てる汁椀等の漆器です。

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